息子が家出して居場所が分からない
親として息子の進路を心配するのは当然だと思っていたが、息子自身はそれに気づいてくれなかった。最後に言い残した言葉は「うるさい、もう出ていく」というテンプレートのようなセリフだった。
20歳も過ぎた息子だがまだまだ親にとっては子どもで若い部類に入る。出ていくと言い2日3日くらいで連絡くらい来るかと思ったが何もない。仲のいい友人達に連絡するも本当に何も知らない様子だった。
何かの事件に巻き込まれていたら怖いと思い警察に相談した。一応、書類に色々と書くようにと言われそれを提出して終わった。正直、警察がそれで動いてくれるのかという心配はあった。しかし、警察から連絡があった。とある、コンビニで息子が映っているということが分かったのだ。生きているという安心もあったが、コンビニが分かったとこでどこで生活しているかは分からない。私としては拠点を特定して息子と話したかった。
そこで雇ったのが興信所だ。今の状況を説明してコンビニの支店を伝えた。家ではある程度パターンがあるらしく地道に足を使って聞き込みをするのが一番だということだった。興信所に依頼して1週間ほどで連絡がきた。ビジネスホテルを拠点に生活をしているとのことだった。興信所の人が言うには毎日のように夜飲みあるいているらしい。どこにそんな金を隠し持っているのかと不思議に思った。
私たちは県外のものだったが、その日の夜にすぐにそこに向かった。ホテルに迷惑にならないように出入口の場所に張り込んで息子が出てくるのを待った。息子は出てきたが私の顔を見るなりに逃げようとした。
私は無理やり車に乗り込ませ車内で話をした。息子は成人してるんだから自分の人生は自分で決めると言った。じゃあ、親に食わせてもらうんじゃなく自分で自立して自分で生きろと私は言った。息子は無言で頷いていたが、子どもはずっと子どもじゃないんだと私自身も反省した。