400万円未払い女

浮気調査終了後、和解として400万円の慰謝料を支払うということで話がついた。一般的な慰謝料よりは少し高額になるが相手がお金もちということで、それで話がついたそうだ。もちろん、それは公正証書にして一応は全てのことはそれでカタがついた。

しかし、支払期日になっても1円も振り込まれない。内容は200万円を今月に振り込み来月に200万円という分割払いだ。相手の情報は名前と住所、そして勤務先と分かっていたので、強制執行という形で給与を差し押さえようとした。ちなみに、この強制執行というのは公正証書や調停調書、判決書などといったもので債務名義を確定させる必要がある。

しかし、強制執行を実行したものの、その勤務先は既に退職していることが分かり弊所に連絡がきたという流れだ。

私が気になったのは、和解した時点の自宅にまだ住んでいるのか?ということだった。会社も辞め、家は引き払い、実家に帰るということも珍しくない。とりあえずは自宅がそのままであれば勤務先特定をし、引っ越しているのであれば弁護士に住民票の除票をとってもらう方法もあるということを伝えた。

早速、私は対象者の自宅に向かったが、残念ながらポストにテープがしてあり、誰も居住していないようだった。そのことを伝え、弁護士に職務上請求をしてもらうように伝えた。

しかし、更に残念なことが起こった。住民票は旧住所のままで動かしていなかった。これは何とか雲隠れしようと考えているのだなと思った。

私はここから調査方法を更に提案した。まず、前提として使える情報が相手のフルネームと生年月日、出身都道府県だった。都道府県ではあまりに調査範囲が広いので、名前と生年月日から出身地を絞り、そこから実家を特定するという調査はどうか?もしかしたら、実家にいるかもしれないし、聞き込みで何かしら分かるかもしれないという提案をした。依頼者はそれでお願いしますということだったので調査にすぐに着手した。

結果、実家のほうは聞き込みなどをし割り出すことに成功した。実家付近で張り込みをすると対象者が出入りしている様子も確認できた。これで勤務先特定の下準備が済み、ようやく強制執行の為の調査を開始した。

実家は田舎の方だったので朝一にお母さんらしき人物が対象者を駅まで車で送迎していた。そこから電車で20分くらいに位置する電気店に入っていくことを確認できた。

その結果を依頼者に伝え早速手続きに入ったようだった。実家なのでその話が親御さんにも伝わったのか、代わりに一括で支払ってくれたとのこと。一件落着してほっとした依頼だった。